銀の魔法



杏悟なんて名前は、そうそういるもんじゃなくて。

だからあんちゃんはあんちゃんで自分の名前が嫌いだって言ってた。

でも、改名をしようとかは、思った事がないって。そう言う。


あんちゃんは本当に、優しい人だから。


「ごめんねー散らかってて。あ、やーちゃんそれどーしたの」


「ん?」


あんちゃんが目をキラキラさせながら私の手首を指差す。

そして一拍遅れて、ふわっと笑って見せた。