少なくとも、その笑顔だけは嫌いじゃない。 「ストパーとかかけてる?」 「いや、かけてない」 素直に向き合うのも尺なので、小説を読みながら受け答える。 小さな質問だった。 あの人がしてくれたものと、同じのがいくつかあった。 けれど私は相変わらず、何も変わらず、変わることもなく。 一語一句違わずに、それはまるで時間を巻き戻されたかのようだった。