銀の魔法



「やーちゃんって、優しいよね」


それは、私に向かって[好きなものを]と言ったのに、自分の好きなお菓子をわざわざ選び抜かれたことに対してだろうか。


「優しく、ないよ」


現に、自分でもうんざりするくらいにいちいち冷たく彼をあしらっている。

それよりも、私は君の方が、相変わらず優しい人だと思う。


何年も音沙汰無しの幼馴染を、こうも都合良く受け入れてくれるなんて。


あのとき、もしもドアの向こう側にいるのが私ではなく狼だったなら、君は一瞬で食べられてしまっていたのに。


こんなのも、変な例えだけれど。


そんなに私に気を許して、

許させて、どうしてくれるというのだろう。