銀の魔法



『はい』


「あ、・・・えと」


いざ声を聞くと、決めたはずの心がまた揺らぐ。

登校する時も、玄関を開けた時点で彼の声がすればわざと時間を遅らせて会わないようにした。

街中で彼らしき人物を見かければ、顔を隠すようにして歩いた。

ばかばかしい、そんなことをこの1年間ずっと続けてきた。


『あ、やーちゃん?』


嫌いなわけじゃないはずなのに。

喧嘩したわけじゃないはずなのに。

それなのに、何でこんなに逃げていたんだろう。


何が、怖かったんだろう。