ホントに自分が[おいしいものを食べている顔]になっているかどうかはしらないけれど、いつまでも呆けているあんちゃんを差し置いて黙々と食べるその姿を、


「やーちゃんって、優しいよね」


褒めておきながらも、あんちゃんもあんちゃんでやっぱりどこか不満げだった。


困ったような呆れたような、それか、照れたような。


頬杖のせいで深くかかった前髪から覗くその笑みに、私はまた目を逸らした。