銀の魔法



それもこれも、

機転のきくあんちゃんと樹奈の気遣いだろうと思う。

大体、樹奈だって

クッキー缶ひとつであんな、

バカみたいにはしゃがない。

残された私は、

ニコニコしているあんちゃんを前に、ひどく胸が痛んだ。


「・・・・・・あんちゃん」


「丁度よかった。俺もやーちゃんに話したいことがあったから」


「・・・・・・え?」


沢山並んだお菓子の中から、

私が好きなものだけを厳選して袋を開けるあんちゃん。

パーティー型に開けられたソレの中から一つだけ取り出すと、あんちゃんはそのまま自分の口に運んだ。


「・・・・・・期待した?」


意地悪い笑みが私を見上げる。

砂糖がついてしまった指を舐めるその仕草が、やけに色っぽいな、とか。


「してあげようか、また」


「は」