いつまでたっても喋りださない私に気を使ったのか何なのか、あんちゃんが再び喋りだす。
「そうだ、樹奈ちゃん。親戚の人からもらったんだけど、クッキー缶があるんだ。よかったら、持っていってよ」
「クッキー缶!? そのようなものをいただいてもいいのですか!?」
「うん。いいよ。どうせ俺の家では食べる人いないからね」
「で、ではありがたく頂戴しますっ!」
そう言って部屋の隅からクッキー缶と思しき箱を取り出したあんちゃんは、キラキラ目を輝かせている樹奈に手渡す。
樹奈は樹奈でもらうやいなや、跳ね上がりそうな勢いで
「早速、母に報告してきます!」
なんて言いながらあんちゃんの家から出て行く。
まるで台風だと、あんちゃんがクスクス笑ってた。


