僕は都合のいいモノだから。 数ヶ月ぶりの彼の呼び出しに応じた。 しばらく会わない間、彼は何も変わっていなかった。 「……久しぶりですね。」 「そうだったか?」 憎い。 けれど愛おしい。 「愛してるよ、怜」 その意味のない言葉は、俺の心に穴を開ける。 重なる体温と、混じり合う吐息。 「愛してる」 繰り返される言葉。 それに対して返す言葉を僕は知らない。