「愛してるよ。」 そう言ってアナタの手は、僕の頬を撫でた。 それは心地良くて、僕は飼い慣らされた猫のように擦りよる。 一時の甘い時間。 一時の甘い言葉。 一時の甘い嘘。 「愛してるよ、怜(レイ)」 だけど僕は知っている。 この時間の裏に隠された、残虐な嘘を。 彼は僕を愛してなどいない。 ただ、僕は都合のいい玩具だ。 彼にとっては、大量に詰められた玩具箱の中から抜き取った一つにすぎない。