キィー・・・

「水樹。あなたは、もう、人間じゃないのよ?」

あるおばあさんは、水槽の中の水にささやいた。

「でもね。私が、ちゃんと可愛い子にしてあげるわ。」




あの時俺が、おばあさんを止めていたら・・・・
彼女は、居なかった。
『蒼井水樹』は・・・。

「計ぃぃ!雨降ってるから、傘持って行きなさいよぉ!」
「分かってるって!」
母が、一階から大声で叫んできた。まあ、いつもの事だ。
母は、俺の姉さんが死んでから何かしら僕に、世話をやいてくる。たぶん、あれだ。

可哀想・・・ってヤツ。

「行ってきます!」
「いってらっしゃい!」

ザァアアアアーーー

「あーぁ。雨ってヤダなぁ。」

いや・・・・・・・
まてよ。
雨が降ってるって事は・・・。

水少女が、来る。

ガララッ
「おはよー。」
「おっはー!」
彼は、堂城星来。
俺の親友で、サッカー部のキャプテン。
恋人がいる・・・『樹恋蓮乃』という、とてつもない美人。

「今日、来るんじゃね?水樹。」
「あ・・あぁ。」

「おはよ。」

ほら。キタ。
皆が嫉妬しちゃうぐらいの美人。