「心優っ。いい加減早くしなさい!」
玄関からお母さんの怒鳴り声が聞こえる。
「うるさいな」
私はブツブツ言いながら鏡とにらめっこ。
まつ毛が上手く付けらんない。
「心優~!!」
「もぉ!!わかったよ!!」
お母さんのせいで綺麗に付けられなかった。
仕方ない。車の中でやるか。
私は着ているワンピースの上にコートを羽織り、バッグを持つと急いで階段を降りた。
ブーツを履いて外に出ると、真っ白な雪が降っていた。
「寒っ」
大雪だから、私の頭の上に沢山雪が積もった。
車に乗ると、私は急いでバッグの中からポーチを取り出した。
「…またお化粧してるの?若いんだからまだいいじゃない」
「若いからしてるんだよ」
私は冷たい口調で言った。
「…進むわよ」
そう言いながらお母さんは車を運転し始めた。