私と族と記憶

……おっ、始まるのか


「舞ちゃん。右を見て微笑んで…」


すげっ……


あいつ……


記憶がねぇんだよな?


なのに……何で撮影できんだ?


「あいつすごいだろ?」


「…ああ」


すごいどころじゃねぇし…


「昔からそうだ。カメラ前だと明るく元気になるが、カメラがなくなるといつもの泣き虫舞に戻る」


二重人格みたいな感じか


「舞ちゃ~ん!好きな人が目の前にいると思って微笑んで~」


八?


記憶のねぇあいつに好きな人を思い浮かべるなんてできねぇだろ……