「言っとくけど私幽霊じゃないから」 女は、いつの間にか貴代の耳元まで来ると囁いた。 ちょっと待ってよ。 貴代は恐怖で動けない。 「今の状況一番信じられないのは私自身なの。 私、自分の家の中で中々帰ってこない佳祐を待ってて、 テレビ見ながらソファの上でウトウトしていたら 突然こんな場所に居て どうしてこうなったのか解らないの」