もういったいなんなのよ。 佳祐がいつもの時間、家に帰るのを見送った貴代は、 ソファに深く腰掛け溜息を吐いた。 なんだかいつもと違って部屋の空気が落ち着かない。 飼い猫のミーニャも白い毛を逆立て、 部屋の隅からじっとこっちの様子を伺っている。 「おいでミーニャ」 いつもみたいに手を伸ばしたが、 一点を見つめ視線を外すことはないミーニャ。