「千絵の家ってあそこのマンションだったんだ」 「知らなかった?佳祐と結構長く付き合ってたよね?」 「今まで気にしていなかったし‥‥‥ それにお互いを干渉しない間柄だったから」 投げやりな貴代の言葉は千絵に対して意地を張ったものだった。 聞きたくても聞けなかった佳祐の家の場所。 これ以上求めちゃいけない。 歯止めを掛けていたもう一人の自分がいた。