藤井紫苑《ふじい しおん》
藤井家の三男。小学4年生の三男は、上に3人もの兄や姉がいるのでとにかくマセててとにかく生意気。長女曰く『小悪魔なクソガキ』な紫苑は顔が可愛いのでどこへ行っても可愛がられる。



「ただいまー」

「あ、おかえり紫苑。ってあんた何その袋」

「高校生のお姉さんに貰った。いいだろ、母ちゃんも欲しい?」

「は!?知らない人に貰ったの!?」

「うん。だって可愛いからくれるっつーんだもん。日向が貰えるモンは貰っとけって言ってたし」

「あのバカッ…!日向が何言ったか知らないけど、知らない人からモノ貰っちゃダメだかんね!?」

「なんで?」

「……なんで?じゃなくてダメなもんはダメなの。わかった?」

「……わかんねぇ」

「…なんだと?」

「ウソウソ!わかった!母ちゃんごめん!」

「よろしい」


だから知らない人から何か貰って来るなんてことはしょっちゅうあり、その度母は頭を抱えていた。



藤井胡桃《ふじい くるみ》
藤井家の末っ子。5歳の保育園年中組の末っ子は、泣き虫で事あるごとに泣く。


「あっ、ジュース…」

「どうした?胡桃」

「パパ…ジュース零しちゃった…」

「うお、マジだ。ちづー!タオル持ってきてー!」

「ふぇっ…」

「ん?…うわ胡桃!泣くな!」

「ジュース…うわああん!!」

「なっ…!ジュースはまた注いでやるから!泣くなよ〜…」

「うわぁぁん!!」

「えっ、ちょっ、千鶴ぅ~!!胡桃がぁ~…」


そして奏多同様末っ子溺愛の父を困らせることも、藤井家では見慣れた光景。