ナツメ

最近ナツメは眠る時にも、わたしを拘束するようになった。

外から鍵をかけるので例え動けても逃げだすことなどできないのに、彼はわたしを縛る。

彼もまた不安なんだろうと思う。

ナツメも、わたしを失うことに恐怖を覚えている。

だから日々、拘束道具が増えていく。

手錠、縄、アイマスク、足枷、鉛のついた鎖、それからナツメ。

彼自身もまた、わたしにとっては拘束道具。

それが一つ増える度、愛されていると実感する。

どこへも行くなと言われている気がして嬉しくなる。