ナツメ

彼のことしか考えられない。

わたしの全てはナツメだ。

そして多分彼も同じ。

彼の全てはわたしだ。


ナツメはわたしが待っているこの部屋に必ず帰ってくる。

今、仕事をしていても、他のことを考えていても、仕事の終了時間が近付くにつれわたしのことを想うだろう。

例えば誰かに飲みに誘われても、彼はわたしを想ってそれを断る。

早く帰らないと。
自分がいなきゃなにもできないペットが待っている。