ナツメ

わたしがなにをしているか、そんなことで彼は思い悩まない。

確実にわたしの所存を知って、わたしがどうしているか知って、今、自分の時間を生きている。

愛されている。

そう思う。

きっとナツメは、こんな愛しかたしか知らないのだろう。

そして、こんな愛されかたを望んでいるわたしだからこそ、彼はわたしを飼ってくれたのだ。

嬉しい。

そう思ったら動けないことで感じる身体の痛みなんて、なんとも思わない。

それすらも、その痛みすらも愛という名の甘美な拘束だ。


黒い世界で、わたしは微笑んだ。
多分この世の誰より幸せな笑み。