ナツメ

「おいで」

立ち上がるナツメの後ろを、ただ着いて行く。

自分でできるとは言えない。
恥ずかしいから嫌だとも言えない。

けれど、それが苦痛には感じない。
不思議な感覚。


バスルームで服を脱がされた。
少しもいやらしくない。

羞恥心は確かにあったけれど、隠そうという気にもならなかった。

お医者さんに胸を見せる感覚に似ている。

わたしは裸になったけれど、ナツメは服を脱がなかった。

トレーナーの袖とジーンズの裾を捲り上げて、それこそ犬を洗うような格好だ。