ナツメ

「そういえば、お風呂はいってないよね?」

急にナツメがそんなことを言いだした。

確かにそうだ。
ここへ来てから、まだ一度もお風呂にはいっていない。

確認されて自分が臭いのかと不安になる。

そんな心を見透かしたのか、ナツメは笑って。


「ごめんね。俺がいれてあげるよ」
「え…」
「だってそうだろ。君はペットだし、なんにもしなくていいんだから」


羞恥心を捨てろとは聞こえなかった。
ペットだと言いつつ、それなりに人として扱われている。

ナツメは優しいのか意地悪なのかわからない。