ナツメ

でも、純愛だった。
とても純粋にわたし達は愛し合った。

特殊な状況に酔ったわけでも、悲劇のヒロインぶっているわけでもなく。

修は離婚の申したてだってしてくれた。
わたしとの愛を貫こうとしたのだ。

でも許してもらえなかった。
誰になにを許されることがあるのか。

許しを請うこと自体、間違っているはず。

修はわたしを愛している。
それだけが紛れもない真実なのに。

そうして、わたし達は引き裂かれた。
汚い他人の手によって、ふたつに引き裂かれたのだ。