ナツメ

でも、わたしは知らなかった。

どうやれば、もっと愛されるのか。

甘えかたを、強請りかたを、なんにも知らなかった。

いや。
それを知る前に心にブレーキがかかる。

愛されて有頂天になっているわたしに、あの呪文が降り注いでくる。

愛されてはいけない。
愛されてはいけない。

それ以上を望んだら天罰がくだる。
愛されることは、わたしにとっては罪。

だって愛されてはいけないのだから。

そして天罰はくだった。

彼と永遠に会えなくなってしまったのだ。

もう二度と。