ナツメ

ナツメの部屋にいた時は、暑さも寒さも感じずにいた。

今は確かに暑さを感じて、身体がそれに反応しはじめている。

生きている。
そう思った。
身体も心も生きている。

心は、ぶっこわれてなんかいない。

確かに一度は破壊した。

だけどそれは修の手ではなくナツメの手によってぶっこわされたのだ。

そして、ナツメの手によって、また新しく形成され、わたしは生まれ変わった。


わたし達に会話はない。
話すことが見つからない。

あの部屋だけが二人の全てだったのだから。