ナツメ

「なんで一ヶ月なの?」

部屋に着いて命じられるがままにソファに座ったわたしにナツメが尋ねてきた。

「仕事。休めるの、それが精一杯だから」

答えてみて初めて、まだ自分はまともな社会人でいようとしているのだと気付いて少し笑えた。

仕事なんか辞めたっていいじゃないか。

死にたいと思いながら、生きる術を残している自分にうんざりする。

「俺、メシ作るから。そっから動かないで」
「…手伝おうか?」
「いい。なにもしなくていい」

動くな。
なにもするな。
やんわりと命じられた気がした。