「…紗英…お前しか、いないんだ…」



そんなの……卑怯だよ…



「…私だって高橋君しかいなかった…
初めて好きになったのに…全部が全部初めてで…
だけど、充分過ぎるくらい幸せで…

もう苦しいのは…嫌なんだ…辛いのは嫌なんだよ…

信じてそんなことになるなら、私はもう誰も好きにならないよ

じゃあね…高橋君。大好き”だった”よ」


スルッと高橋君の腕から抜け、またあの日の様に私から背を向けた


バイバイ高橋君。

ホントにホントに大好きだったよ?

「……っ」


気づけば私の頬には涙が伝っていた