イノセンス・タブー

｢……雛子」


｢な、なあに?」


｢生駒くん。地元の大学1個も受けないって聞いたけど｣


｢そうらしいね｣


昼休み。


11月ももう後半になって、周りの進路も決まってきた。


私は地元の大学を受けることに決めた。


……それにしても。


もう噂になるんだ、と思った。


でもきっと将也は私に最初に言ったのかもしれない。


なんとなくそんな気がした。


｢じゃあ離れるんだ」


｢うん。まあ、会いたくなったらいつでも会えるけどね」


家族だから。


兄弟だから。