私達は寂しさを埋め合うようにたくさんお互いの名前を呼びあってきた。


将也と急速に距離が近づいたのはその日からだった。


その日から将也は絶対に私のことをお前と言わなくなった。


私も将也のことは呼び捨てにした。


カレーを煮込んでいる間たくさん話をした。


前の家のこと。


私のお父さんの話や将也のお父さんの浮気の話。


私達は少しひねた子供だった。


もちろんそれは2人の親の歪んだ生活からだ。


それを共有し合う私達は切っても切れない関係を築いていった。


2人、家に帰らなくなっても私達はどんどん仲良くなっていった。