あれも雨の日だった。


将也と、伊月さんと一緒に暮らし始めて1年くらいした頃から2人は家に帰らなくなってきた。


必然的に私達は一緒にいる時間が増えた。


その時私達は小学2年。


将也のほうも放置されるのに慣れているようでとくに支障はなかった。


ただ困ったのは夕飯。


お母さんが夕飯を作らないで仕事に行ってしまうことがあった時だ。


「ねぇ将也くん」


「ん?」


「何か食べたいのある?」


「別にないよ」