イノセンス・タブー

「へー…」


「うん」


「もっと将也がどきどきするといいんだけど」


「まあ起きろや」


変なとこばっか真面目だ。


手が差しのべられた。


「ずるい」


「何が?」


「私ばっかりどきどきしてるよ」


「ふむ」


「じゃあ雛子はこういうのが好きなんだ」


冷静に分析された。


「俺もこういうのが好きなのかな?」


「うーん…」


今度やってあげるよ、と私は言った。


ふむ、とまた将也は言った。


どうやら昨日の夜は夢ではないらしい。


私は密かに赤面した。