イノセンス・タブー

「俺のこと、すきなままでいてください…」


さらさらの髪が頬を撫でる。


私は目を閉じる。


涙が零れる。


息が詰まって声が出せない。


「…はい…」


将也は私のことをすきになってくれる?


でも、4ヶ月したら私達は離ればなれになる。


でも、今はこのままがいい。


今は将也がいてくれる。


「絶対、雛子のことすきになるから」


そっと抱きつく。


「おやすみ、雛子」


私は将也にすきと言えなかった。


だいすきなのに。