イノセンス・タブー

「ねぇ将也」


収まれない。


どんどん水が溢れてくるように。


伝わらないって絶対分かってた。


「ねぇ…」


均衡が崩れているのは私の方だ。


「あの子のこと、好きだったんでしょう?」


「…わかんないって」


次の瞬間。


将也が私を押し倒して私を見下ろしていた。


「なんで、」


何で、


「私達兄弟なの?」


「何言って…」


「私は将也のことが好きなのに…、」


止まらなくて、


ぽろぽろ零れて、