イノセンス・タブー

初めて将也が彼女を連れて来たのは中2の時。


私に最初の彼氏ができた時と重なる。


何だかやたらにふわふわとした子だった。


でもその子とは別にもう1人女の子がいることも私は知っていた。


お菓子を持っていくと、その子はすごく驚く。


そうすると将也は楽しそうに唇を横にひいて言う。


「俺の姉」


するとその子は曖昧に2、3回頷いて気まずそうに「そっかぁ」と言うのだった。


私も楽しくなって「将也の姉です」と言うのだった。