イノセンス・タブー

「ばか」


鼻の奥がつーんとした。


自分が泣きそうになっているのがわかった。


前を向いている将也にばれなければいいと思った。


「バカって酷くね?」


ちらりと横目で私を見る将也。


そっと周りを見るふりをして顔を逸らす。


「雛子?」


「何も言わないで」


ぎゅっと手を握り返す。


「泣きそうなの」


「うん」


「ずっと…」


冷たい空気が震えた。


掴んでるから、