イノセンス・タブー

「別れた!!」


「はっ?」


初耳だった。


「あの子と?」


「そー!ひっぱたかれた」


ぶはっと吹き出した。


「浮気!?」


「違う。飽きた」


酷い男だ、と思う。


でも私はそんな男が好きなのだった。


「私ねー」


「おー」


躊躇った。


「…ほっとしたよー」


エンジンの音に紛れて聞こえないようにと祈った。


ほっとした。


本当に。