イノセンス・タブー

「いいの?」


「いいけど、ヘルメットが教室にある」


「え…めんどくさい」


でも、バスで帰るのもめんどくさい。


ヘルメットと約1時間を天秤にかけた。


結局私は将也の教室にヘルメットを取りに行くことにした。


とんとん、と階段を上って行く。


教室に行くとヘルメットはすぐに見つかった。


誰もいない学校。


暗い教室。


将也のヘルメットが学校に溶けずにぽーんと浮き彫りになっている


膝たけのスカートが寒い。


誰もいない学校はなんだかわくわくする。