きみのばか。






春。桜が咲く季節。
大きな桜の木があるとある学校の門の前。



私は新しく買ったばかりの携帯で大好きな人にメール。


『ゆうくん!すーがく21だったんだよ(^o^)♪』

ピロリン
ー『前回より8点上がったね。おめでと』

『あっぷしたからケーキ~!』

ピロリン
ー『今、どこ?』

『ゆうくんのとこ!きちゃった♪』


漢字が苦手な私は全部が平仮名になってしまう。
そして、点数を褒められたのが嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。





さっきから門を通る大好きな人の学校の生徒達の視線が、痛く突き刺さる。

「やっぱり制服で来るんじゃなかった~。」

独り言でポツリと呟く。

まぁ学校終わって直行してきたんだから、しょうがないけど、なんだかテンションが下がってしまう。



でも‥

「ひより、なんでいるの?」

いつの間か目の前には大好きな彼、優くん。