『やっぱり忘れてるんだ。』

そう言われ
私は記憶をよみがえす
でも
記憶にない。
あの川原で出会った時だけしか
思い出せない。


『ごめん、いつ出会った?』

『みなちゃん!って呼び方もどうしてか記憶にないんだ。』

みなちゃん
その呼び方は
昔どこかで聞いた。
でもどこでだっけ?

『うん。記憶にない。』

『小学4年生の時
みなちゃんと出会った。
公園のジャングルジムに登って
俺は
母さんを待っていた。
自分でなんとなく
作った歌を歌いながら
そんな時後ろで俺の歌を
リズムをとりながら
聞いていた。
みなちゃんがいた。
その事に俺は気づき
みなちゃんに話しかけた。
『誰かまってるの?』って』

その頃は
お母さんが戻ってくるのを
待っていた

『話しかけた途端
みなちゃんびっくりして
ジャングルジムからおちたんだ。
俺はすぐさまジャングルジムから
降りてみなちゃんの元へ駆けつけたよ。』

落ちた事は
記憶にある。
何で落ちたかは記憶に
無かったけど祐君の話を聞いて
思い出した。

あの日私は
祐君の歌声を
聞きながら
母親を待っていた。
そして話しかけられて
振り返ったら
祐君と夕日がものすごく
あっていて
綺麗だなって思っていたら
足を滑らして落っこちたんだ。