「うげ、ヒデじゃん…」
クラスメイトであり、…一応彼氏の北原 秀俊【きたはら ひでとし】
もろサッカーやってそうな名前だけど(勝手に決めつけているだけ)、野球少年で、もうスポーツ推薦で高校がきまってる奴は、余裕ぶっこいで…なんていなくて、まじめにちゃんと勉強してる秀才野郎だ。
そして奴の得意科目はなんと、あたしの嫌いな英語という、何とも理解のしがたいやつなのだ。
「何だよ、馬鹿」
「なにおー!」
彼女様に向かって、『馬鹿』って…っ。
何とヒドイ野郎なんだ。
まったく。
「仁菜に不規則動詞って何なのか教えてあげてよ、北原くん」
「この馬鹿は不規則動詞もわからねぇの?」
「そうなのよ」
「…ったく、俺があんだけ教えてやったのに…」