一直線な人気者

彼が近づいて来る度、手汗が滲む。


「桃妃、今日も明智君来たね」


「毎日毎日、懲りないよねーー」


結麻と真琳はのん気に好き勝手言ってるけど、私は何も答える事が出来ない。


「桃妃ちゃん!あのさ―――」


ガタンッ!!


明智君が私に声をかけたとほぼ同時に、私はイスから立ち上がった。


登校して来ていたD組の皆の視線が、私に集まる。


「「も…桃妃?」」


結麻と真琳も目を丸くして私を見ていた。


「……1時間目が始まる頃に戻って来る」


私はそれだけ2人に伝えて、教室を飛び出した。


「待っ……」