一直線な人気者

朋貴や皆に天然ボケと言われるオレだって、普通の男子高校生………好きな女の子の無邪気な笑顔見せつけられたら、理性の鎖が緩む。


「桃妃ちゃん……」


心臓がドキドキバクバクウルサイ中、オレは桃妃ちゃんに向かって手を伸ばす。


笑いが収まったらしい桃妃ちゃんが「んっ?」とこっちを向いた瞬間、オレのポケットに入っていたケータイが鳴った。


「………ッ」


パッと手を引っ込めて、ケータイを取り出す。


「桃妃ちゃん、ちょっとごめんね」


「いいよ、お話して」


桃妃ちゃんに断って、ディスプレイを確認しないで電話に出た。