雨が見ていた~Painful love~

――ダメだ…!!
このままじゃダメ!!


キョウちゃんを引き留めなきゃ…!!



そうはわかっているのに
動かないカラダ


戸惑う唇





何もできないまま
疲れたキョウちゃんの背中を見つめたまま、スカートの裾を強く掴んだまま、何もできずに彼を見守っていると、彼は何も言わず、振り返りもせずに、この部屋を後にした。




バタン




無機質に閉まるドアの音



パタパタとキョウちゃんが廊下を歩く音が小さく聞こえる。





その音を聞きながら、私は激しい自己嫌悪に陥り始める。



――ダメだ…私…。

ビビってる。
この期に及んで、何やってんのよ…。



私はベッドの上で体育座りをしたまま、膝にコツンとおでこをつける。




明日にはキョウちゃんはアメリカに行っちゃうんだよ?

簡単には会えなくなっちゃうんだよ??

もう……一緒にはいられなくなっちゃうんだよ??





なんで…
なんで私はこうなんだろう。
自分で自分が嫌になる。



キョウちゃんとそうなりたかった。
ココから全部やり直したかった。
そう思ってたのはウソじゃないのに…どうしてこんな風になっちゃったんだろう。



なんだか無性に恥ずかしかった。
急に突然、恥ずかしくなった。
急に我に返ってしまった。





――はぁ…自己嫌悪……。





チラリと視線を横にやると椅子の上に無造作にかけたまんまのスーツがあった。





あの記者会見の時に着ていたスーツ。
ジャケットにズボン。ワイシャツ以外の一式がそこにドサリと置かれている。