そして吉良光太郎はMETSERAへと就職を果たし、現在は競泳界をけん引する一人として頑張っている。



「……ま、今度6月の世界水泳が勝負だとおもうけどねー。」




喜多川君は会社のデスクで頬杖をつきながら、


「正直キラは藤堂ほどの大物ではないから、ここが正念場だわー。」


「…そうなの?」


「うん。それは桐谷さんも感じてることでしょ??とりあえず明智光秀の3日天下みたいにならなきゃいいなーって思ってるけどさ。」


あっさりゆるりとそんな毒を吐いていた。




仁くんの言っていた通り
業界内じゃキョウちゃんとの実力の差、みたいなもので比較されて大変そうだけど…それがアイツの選んだ道なんだもん。


同情する気もなければ助ける気もない。
行けるところまで、いばらの道を突き進んでいけばいい。申し訳ないけどそう思う。