――ちょ、ちょっとキョウちゃん~~っ!



さっきまでのコドモみたいな瞳はどこへやら。
一気にオスのオトコの瞳になったキョウちゃんに見つめられて、迫られて。完全に蛇に睨まれたカエル状態に陥っていると



「こら。お父さんの前で娘を誘惑するんじゃない!」


「い、いてぇっ!!」



ブスッとして不機嫌そうな顔をしたパパに、キョウちゃんはお尻を思いっきり蹴り上げられる。





「全く!俺は吉良の悪事をぶちまけろって言ったのに、引退するって言って聞かないし、さっきの会見でも散々好き勝手言いやがって…!!
こっちの苦労も考えろ!!」



ギロリとキョウちゃんを睨みつけるとパパはポケットにあったタバコに火をつけて、フゥと煙をくゆらせる。



少し離れたところに歩いて行って
近くの壁にもたれながら疲れたようにハァと煙を吐き出すと




「今から覚悟しとけよ?響弥。」


「はぁ?」


「この借りは仕事で返してもらうからなー??
いいか?!
俺がもういい!!って言うまでお前はうちの会社でタダ働き決定だからな!!」


「え、えぇーーっ!?」


「とりあえずオマエはしばらくウチの事務所の掃除係決定な。」




ニンマリと
それはそれはニンマリと
天使のような笑顔を浮かべて、パパはキョウちゃんに微笑みかける。