「まー、この数が集まると何か起こらない方がおかしいな。冷静に見てないと…。」


仁くんはハァ~とため息を吐きながらウーーンと大きく伸びをする。




今日の仁くんはモデル仕様じゃなく、スーツにメガネという弁護士仕様。




いつもより輝きは半減されてるけど…
それでも均整のとれたバランスいいカラダや顔の小ささは服や小物じゃ隠せない。



――うーーん、パパそっくり。



仁くんを見るといつもそう思う。
さりげないしぐさだけじゃなく、喋り方も姿も声も何もかも、仁くんはパパにそっくりだ。(それを言うと凄く怒るから言わないけれど。)




パパと仁くんは本当によく似てる。
だけどなぜかお互いそれを嫌がる。




なんでかなぁ…。
パパに似てるってことはイケメンで優しくてジェントルマン決定!なことなんだから喜んでイイコトのはずなのに。
ママ似の私にすれば、パパに似てるってことはうらやましいコトこの上なし!な状況なのにな~~。



そんなことを思いながら仁くんをジィっと見てると私の後ろの扉がバタンと開いて、キョウちゃんとパパが控室から姿を現す。




黒いスーツに身を包んだキョウちゃんと細身のネイビーのスーツに身を包んだパパ。


うっとうしそうにネクタイを緩めながら、キョウちゃんはこちらに向かってトコトコと歩いてくる。





――う…わ…。





スーツ似合うな、キョウちゃん…




私はこんな状況にも関わらず
彼のスーツ姿に目を奪われる。





だ、だっていつもはジャージとかジーンズなんだもん!
こういう正装って初めて見たから…なんかドキドキする…。




スーツ越しにも彼のたくましい筋肉が見て取れる。
キレイな逆三角形のカラダがスーツをより引き立てる。