悪魔のちオス
オスときどきコドモなキョウちゃん。
まるでお天気のようにコロコロ変わる彼の反応に、私の胸はズクンズクンと抉られて、いとおしさで胸の奥がいっぱいになる。
「覚悟しとけよ、美織。」
「え、えぇ!?」
「俺、途中で止めるなんて絶っっっ対に無理だかんな!!」
「え、えぇ~~~~!!?」
「アホか!!
10年来の片想いの重さ…甘く見んじゃねーぞ!!!」
そして荒々しく私の唇をむさぼる彼に、涙がこぼれる。
目の前には幼なじみじゃない、彼がいる。
目の前にいるのは…私の大好きな男の子。
溢れる涙
漂う水面
月明かりの照らす、静かなプール
……今更ながらに思い知る。
彼の唇に
彼のキスに酔わされるたびに、私は思い知る。
“幼なじみ”というくくりで身も心もがんじがらめにして、見えやすいことを見えにくくしていた自分のずるさを思い知る。
幼なじみ、だなんてウソだ。
こんな感情がただの幼なじみなワケないじゃない。
きっと……
私はずっと好きだった。
悪魔で子どもで
意地悪だけれど
最後の最後で悪魔になりきれない
この不器用な男の子にずっとずっと恋してたんだ――……
月明かりの照らすプールでただ静かに抱き合う二人。
足りない何かを埋めていくようにキョウちゃんは私にキスをする。


