余裕のない
その声に驚いて
フッと上を見上げると
そこにあったのはタコさんウィンナーみたいに、耳まで真っ赤になっているキョウちゃんの顔。
――わ……!すごい!
生まれて初めて見た、俺様悪魔のウブな表情をホヘーっとバカ丸出しの顔で見つめていると
「……~っ!このバカ!!
マジマジ見んじゃねーよ!」
そう言って
私の頭をベシンと叩いた後
キョウちゃんは私を乱暴に引き寄せて
ギュッと強く抱きしめる。
動こうにも動けない
強い力で抱きしめられて
嬉しいけれど苦しくて
だけど抱きしめられてると
彼の見せるかわいい表情が見えなくて
手足をジタバタさせながら軽い抵抗を繰り広げていると
「バカで鈍感なクソ美にゃ、わかんねーかもしんねーけどな!!
俺は……ずっと待ってたんだよ!!」
私を乱暴に抱きしめながら
キョウちゃんは、叫び始める。
「オマエが振り向いてくれるのをずっと待ってた!オマエが俺を好きだと言ってくれる日をずっと待ってた!こうやって、お前をめちゃくちゃに抱きしめられる日が来ることを……俺はずっとずっと待ってたんだよっ!」
「……キョウちゃん……」
「余裕なんて……あるわきゃねーだろーが!!このクソバカオンナ!!
寝言言ってんじゃねーよ!!バーカ!!」


