傷つけられてもいいの
不幸にされてもイイの
私をどんなに傷つけても構わない。
優しい人が好きなら
きっと私は拓真くんの手を取った。
彼にすがって
彼に頼って、それでよかった。
だけど…
私が選んだのはキョウちゃんなんだよ。
意地悪でワガママなあなたが好き。
強気のクセに時折見せる、あなたの弱さにキュンとなる。
不器用なその愛がいじらしい。
最後の最後には私を助けてくれる、その勘違いな優しさがいとおしい。
「キョウちゃんがよくても、私が…困る。」
彼の唇からゆっくりと唇を離すと
やっと喋れるようになった言葉を紡いで、私は彼に気持ちをぶつける。
「…え…??」
「キョウちゃんがよくても私がイヤだよ。
私が…キョウちゃんから離れたくない。」
そう言って
私は水の中にある彼の手をキュウっと握る。
小さなころから繋いでいた、この手のひら。
この手に助けられたこともあった。
この手にひどく、傷つけられた日もあった。
この手が突然、霧のように消えてしまって
寂しくて悲しくて、泣いてしまった夜もあった。
もう二度と現れないで!!
そう思った日もあったけれど…
10年の時を経て
キョウちゃんは私の隣に戻ってきてくれた。
大きくて熱い、キョウちゃんの手のひら。
コレはきっと神様からのメッセージ。
『この手を逃しちゃいけません』
きっと私に、そう言ってくれてる。
だから、私は離してなんてやらないんだ。
もう二度と…
キョウちゃんの手を離したりなんてしてやらない。


