雨が見ていた~Painful love~



静かな空調の音
彼の体から滴る雫が奏でる、メロディ




月の光に照らされた
私と彼しかいない静かなプールで




「今更だけど聞いてくれるか??
俺は…俺はな??
お前のことが、ずっとずっと好きだった。」





キョウちゃんは腕を伸ばして
私の頬にゆっくりと手を添える。




「……!?」


「好きになって…ゴメンな、美織…。
オマエの人生を狂わせたのは、間違いなく俺だな…。」






そう言って
キョウちゃんは私のカラダをゆっくりと引き寄せると、優しく優しく真綿でくるむように、私の体を抱きしめる。




――キョウちゃん……




初めて知った
初めて聞いた、彼の本当の気持ち



ずっとずっと
24年も一緒にいたのに、彼の口からは今まで聞いたことのなかった“好き”の二文字。




彼の言葉に
抱きしめられたカラダから感じる、彼の温かな体温に、カラダとココロが温まる。





いつもは意地悪で
ワガママで俺様で
悪魔な彼の見せた優しさに戸惑いながら



『でも私もキョウちゃんと同じ気持ちなんだよ?
ちゃんとちゃんと、好きなんだよ??』




そう伝えようと必死に唇を動かすと




「オマエが俺と同じスキだとしたら。
すげぇ嬉しい。すげぇすげぇ嬉しい。」




そう言ってキョウちゃんは私の体を抱きしめる力を強くする。