その行動
その視線に
どうしたってよみがえる、あの記憶。
あの雨の日に無理やり奪われた、私のハジメテ。
『イヤ…!!イヤだ!!
止めて、キョウちゃん!!」』
『バカな美織。
どうして安全パイだなんて思ったの?
俺だって
ちゃーんとオトコなんだよ?』
「いや…、イヤ…!!
いやぁぁーーーーーっ!!!!!」
完全にフラッシュバックを起こしてしまって
私はキョウちゃんの胸に両手を当てて、彼の体を無理やりに引っ剥がす。
自分の意志とは裏腹に
目から滝のように流れる涙
恐怖でガクガク震える手足
「……。」
なんで…!?
なんで今更、あの日を思い出さなきゃいけないの!!?
違うのに
あの時のキョウちゃんへの気持ちと
今の私の気持ちは全くの別物なのに
それでも、思い出す
あの日の記憶に自分で自分がイヤになる。
自分で自分の体を抱きしめながら
未だに続くあの日の恐怖に耐えていると
「…ほら…な??」
「…え…??」
「どんなに望んでも、欲しがっても。
俺じゃオマエを救ってやれねぇ。」
寂しそうな表情をして
頭をポリポリ掻きながら俯くと
「頭で納得させてもカラダが拒否するっていうのが何よりの証拠だろ??オマエは俺に同情してるだけなんだよ。」
キョウちゃんは
こんなヒドイ言葉を口にする。
震える手足
凍える脳みそ
そして固まった、唇。
そうじゃない!
そんなことない!!!
そう…叫びたいのに
恐怖に頭の中が支配された今の私は、彼を見つめることが精いっぱいで。
弱虫の私は何も言えず、何もできず、ただ彼を見つめることしかできなかった。


